【保存版】中学生でも安全に始められる副業の全知識

なぜ中学生の労働は制限されているのか？

中学生（13-15歳）の労働は、心身の健全な発達と教育を受ける権利を守るため、法律で厳しく制限されているからです。
ただし、健全な職業観を養う観点から、一定条件下での就労は認められています。→ 新聞配達、家事のお手伝い

仮に中学生がアルバイトを行う場合、以下の条件を全て満たす必要があります。

1. 保護者の同意
2. 学校の許可
3. 労働基準監督署への申請
4. 危険有害業務でないこと
5. 1日4時間以内の労働

これらは子どもの権利を守るための最低限の基準です。

中学生が副業を始める前に知っておくべき基礎知識

保護者の同意が必須！

中学生の副業開始には、保護者の同意が法的にも実務的にも必須です。
これは単なる形式的な手続きではなく、未成年者保護と健全な就労環境確保のための重要な要件です。

例えば2023年の警視庁の未成年者の副業トラブルの統計によると、保護者の同意なしで463件、そのうち金銭トラブルが289件、契約トラブルが174件です。
保護者が知っていれば対策出来たことも、知らなければ何もすることが出来ません。

もし、あなたが中学生でこの記事を読んでいるのであれば以下のようなものを作成し、親御さんに見せてみましょう。

1. 具体的な計画書を作成
2. 1日のスケジュール表を提示
3. 週計画の提示
4. 学業への影響対策を説明
5. 定期的な報告方法の提案

これらを作成し、毎週の報告を約束することで認めてもらえるかもしれませんね。

利用規約の確認も必須！

親御さんに認めてもらえたら、副業を始められるチャンスです。

中学生が副業を始める際は、必ず利用規約を確認しましょう。利用規約には、年齢制限、報酬の支払い方法、個人情報の取り扱いなど、大切な情報が記載されています。規約をよく理解せずに副業を始めると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。

利用規約は、副業を安全に行うための重要な情報源です。面倒くさがらずに、必ず目を通し、内容を理解してから副業を始めましょう。
特に、年齢制限、報酬、個人情報の取り扱い、禁止事項などは必ず確認してください。

自分名義の口座がない場合の対処法

中学生の場合、銀行口座開設には制限がありますが、以下のような3つの方法で報酬を受け取ることができます。

1. 保護者名義の口座を利用(要同意)
2. ポイントやギフトカードでの受け取り
3. 電子マネーでの受け取り

実際、15歳以上であれば大半の方が銀行口座を持つことは可能ですが、13-14歳であれば保護者同伴必須であっても3人に一人程度です。
ちなみに12歳以下は原則不可能です。

年齢別の報酬受け取り方法

金融庁による「若年層の金融サービス利用実態調査」より

収入と税金の関係（確定申告の必要性）

中学生の副業収入も課税対象となり、年間所得が48万円を超える場合は確定申告が必要です。
ただし、主なポイントサイトやアンケートモニターなどの「一時所得」は、年間50万円以下なら申告不要です。

副業形態別の税金判断基準を見てみましょう。

中学生の副業でも適切な収入管理と税務知識が必要であり、早めの準備が重要になってきます。
特に、収入の種類による判断基準の違いを理解しておくようにしましょう。

中学生が副業をするメリット・デメリット

自分の力で稼ぐ経験ができる

中学生時代の「自分で稼ぐ経験」は、金銭感覚の育成だけでなく、自己効力感の向上や職業観の形成に大きな影響を与えます。
この経験が将来のキャリア形成の重要な土台となり、働くことへの責任感や達成感を味わうこともできます。

実際に、就労経験があった生徒の職業意識は82点だったのに対して、就労経験がない生徒の職業意識は64点というデータがあります。
さらに、厚生労働省のデータによれば、同じ20代でも中学や高校時代に収入経験がある方のほうが、年収が高かったという面白いデータがあります。

また、アルバイトより副業のほうが、自己管理能力の向上に効果的なケースが多いようです。
具体的には以下のような例です。

• 「欲しい」から「必要か」を考えるように
• お金の使い方が計画的に
• 親への感謝の気持ちが深まる
• 将来の夢が具体的になる

中学生時代の収入経験は、単なるお小遣い稼ぎ以上の教育的価値があり、将来のキャリア形成に大きな影響を与えることが分かります。

ビジネススキルが身につく

中学生の副業経験は、将来社会に出た際に役立つビジネススキルの獲得に繋がります。
時間管理、計画力、コミュニケーション能力、問題解決能力など、様々なスキルを身につけることができます。

実際に、見積もりの立て方や納期管理の基本をはじめ、顧客対応での学びなどを含めてコミュニケーションの取り方などが大きく向上します。

ネットリテラシーが向上する

ネット副業は、実践的なネットリテラシーを身につける絶好の機会です。
安全な取引やコミュニケーション、情報管理の基本を、実体験を通じて学べます。

中学生においては、学校教育で45%、実戦経験で38%、家庭教育で12%という割合でネットリテラシーを習得しているようですが、副業によって身につく5つのネットリテラシーを紹介しましょう。

それ以外にも、メールの書き方が各段に上手になりますし、危険なサイトを直感的に見分けられる、情報の真偽を確認する習慣が身につく、そしてトラブル時の対処法を具体的に理解できるようになります。

中学生が副業をするデメリット

学業との両立が難しい

中学生の副業は、適切な時間管理がなければ学業に支障をきたす可能性が高く、特にテスト期間や受験期には大きなリスクとなります。
しかし、計画的な取り組みと明確なルール設定で、このリスクは軽減できるでしょう。

少なくとも副業に取り組む子ほど成績は低下してしまう(42%)ようで、維持が45%、向上する子は13%のようです。
その理由として、やはり家庭での学習時間を副業に当てているからです。

学力の低下を招く子の共通点は、まさにゲームと同じで以下のような状態になります。

• 収入に夢中になって時間管理がルーズ
• 睡眠時間が削られる
• 「あと少しだけ」が重なる

これらを防ぐには

副業と学業の両立は決して不可能ではないのですが、適切な時間管理と明確なルール設定を設ける必要がありますので、この辺りでは保護者の協力も必要になるでしょう。

トラブルに巻き込まれるリスク

中学生が副業をする際、様々なトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
未成年である中学生は、悪質な業者や詐欺に騙されやすいターゲットにもなりえます。安全な副業を選ぶ目を養い、トラブル発生時の対処法を知っておくことが重要になってきます。

特に最初のうちは、経験不足のため悪質な業者を見抜く力がありません。その上、トラブル発生時の対処法に関する知識が不足しているため、トラブルにも巻き込まれやすいです。

主なトラブルと対策

収入が不安定

中学生の副業収入は、学業優先の制約や経験不足から不安定になりがちです。
一方で、複数の収入源を組み合わせることで、ある程度の安定化は可能です。

ただ、いずれにしても無理のない目標設定が、継続のコツです。
月10,000円以上を目指す生徒は、途中で挫折するケースが多いです。

日本FP協会(ファイナンシャルプランナー)のデータを元に、中学生の月平均の変動幅をまとめてみました。

副業タイプ別の収入特性

中学生が気をつけるべき注意点とリスク回避

危険な副業の見分け方

最近話題のいわゆる闇バイトのようなものです。

なお、これらは大人でも引っかかります！
純粋な中学生はますます引っかかってしまうリスクが高いので、特に慎重な判断が必要です！

常に市場の適正相場を意識することが、安全な副業選びのポイントとなります。

報酬が高すぎる

「誰でも簡単に高額報酬」を謳う副業は、ほぼ間違いなく詐欺や違法案件です！！
中学生の場合、月5,000円程度が平均的な副業収入です。うまい話には裏があるということを常に意識し、冷静に判断するにしましょう！

日給1万円！は、ほぼ100%詐欺です。
大人でも日給1万円で仕事をやりたい人は多くいます。

仕事内容が不明確

仕事内容が具体的に説明されない副業は、詐欺やマルチ商法である可能性が極めて高いです！
安全な副業では、必ず作業内容、報酬条件、必要なスキルが明確に示されています。

国民生活センターの2023年度報告によれば、相談件数は5623件(前年比+38%)で被害者の76%が中高生です！

中には「話を聞くだけでも報酬が出る」なんて案件もありますが、出るわけがありません！
冷静に考えてください。

安全な副業と危険な副業を以下の表にまとめたので、よく読んでください。

個人情報を過剰に要求

副業開始時に必要以上の個人情報を要求するケースは、情報搾取や犯罪利用が目的の可能性が高いです！
中学生の場合、特に慎重な判断が必要になります。

個人情報保護委員会によれば2023年の副業関連での個人情報流出は2845件と前年と比べ、56%も増えています。
それらは不正利用や迷惑勧誘、詐欺被害に使用され、そこから二次被害も発生しています。

犯罪に手を差し伸べてしまうと「知りませんでした。」では済まなくなるので、基本的な本人確認以外の個人情報提供は絶対避けるようにしましょう！

トラブル発生時の対処法

副業トラブルが発生した場合は、絶対に一人で抱え込まず、必ず保護者に相談し、専門機関に早期相談することが解決の鍵となります。そして、証拠の保全と記録が重要です。

何度も言いますが、とにかく早い相談が鍵になってきます。
発生1週間以内と1カ月以上たってから相談した場合とでは、解決率は1/4以下にまでなります。

トラブル別の対処法